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【過去記事】Churton の生産者さんご来店。試飲販売会を開催したときのこと(11/2)。

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※こちらは2016年の記事です。

(写真左から)1.当店2Fでの試飲風景。静かに始まったサムさんのお話はだんだんと熱が籠る。2.一階のワインメーカーたちが書いたサインの壁に新しく今日のサインを加えてニッコリ。3.昨年11月に改めて畑に伺ったとき。相変わらずの美しくリズムのあるアップダウンを感じる畑。畑自体は全部で22haだが所有する畑はその倍くらいある。単一の植物だけを育てるのではなく、周辺に様々な植物を植え動物を飼っている。4.チャートンのワインたち。ちょっと小さめの500mlのボトルに入るプチ・マンサンはチャートンがNZで初めて植えた。ほんのわずかな生産者だけが生産を試みているため現在ニュージーランドでのプチ・マンサンの作付け面積はチャートンが首位!

10月30日(日)、ニュージーランドのマルボロ地区の家族経営ワイナリーからサム・ウィーバー氏が来店してくださいました。根津のお店でイベントしてくださったのが過去に2回。奥様のマンディさんの一回を足して、今回で4回目のチャートンのイベントです。日本に輸入されるちょっと前に畑を訪問し、そのご縁から日本市場でのお披露目の封切のディナーをさせていただいたのもずっと昔のよう。今ではすっかり日本のあちらこちらの素晴らしいお店にオンリストされるワインとなりました。

マルボロはニュージーランド随一の生産量を誇るワイン産地。数多あるワイナリーの中でなぜチャートンが注目されてきたのか?それは彼の作るワインの特異性によるものです。

その違いをつくる筆頭にあげられるのが畑。

オマカとワイホパイの二つの谷にまたがる海抜200mの丘にその畑はあります。実際の畑は22ha。しかし敷地自体はその倍ほどあり、ブドウだけの単一の植物を植えるのを嫌い、様々な植物を周辺に植え、動物たちを飼い放しているのが見られます。下の写真は畑の脇で見えた牛たち。



イギリスのファーマーの家で育ったサムさん。そして最初のワインのキャリアであったロンドンの老舗ワイン商、Berry Bros. & Ruddでの勤務により偉大なワインたちとの出会いを経験してきたサムさん。そんな彼にとっては、ほかのマルボロのほとんどの生産者たちが谷の低いところに畑を持っているのが当初とても不思議に映ったようです。なぜならヨーロッパの素晴らしい畑はすべて東向きの丘の上にあったから。畑の場所を探して彼が当たり前のようにたどり着いたのは風が吹き抜けていく丘の上だったそうです。

北東に向いたその畑は強すぎる西日ではなく、柔らかい朝日を存分に浴びることができ、ゆっくりと長いブドウの成熟を促しています。土壌には粘土を含有し、また近隣の畑より古い土壌です。

チャートンの設立は1997年で最初の数年だけ他のブドウを買ってワインを造ったようですが、やがてワインにするのに十分育ってきた自社の畑のものを使いはじめます。そして段階を踏んで2007年からはプレパラシオンを用いたビオディナミによる農法となりました。プレパラシオンは近隣の幾つかのビオディナミを採用する農家と協力してつくり、シェアしあっているそうです。

22haの畑は、なんと17ブロックにも各場所の違いにより小さく区切られています(クレイジーと言われたそうです)。彼の畑の図面を見ると、各ブロックの仕切線はまるで肉屋に貼ってある肉の部位を示す断面図のよう。各ブロックの名前は例外はあれど、たとえば、"Shoulder(肩肉)"や"Loin(腰肉)"など・・・。サムさんの遊び心は収穫を手伝う周りの人々に苦痛を与えずに作業してもらうことに役立つ一面もあるようです。ブドウの収穫の際に延々とひたすらに続くかのような長いただの数字で呼ばれるブロック内の畝で作業するよりもモチベーションが上がるでしょうから。ハッピーではない人々が携わったら美味しいワインは生まれないとも。

彼の話は一に畑、二に畑、三に畑。
自分のこともワインメーカーというよりはファーマーであると強調します。
畑を歩きまわる日々。

sam Weaver Churton, Marlborough


鮮やかで豊かな果実味をもつマルボロのブドウの特徴にサムさんのヨーロッパでのバックグラウンド。
この二つがあってのチャートンのワイン。彼のプロモーションに出てくるセンテンス、New World Wine Tempered with Old Wine Style、は、ぴったりと言えますね。

さて、当日は特別価格でのワイン試飲及び販売となりましたが、まだこちらでもお買い上げいただけます。
もしよろしければページ内からどうぞ。

たとえば、良いヴィンテージだけに作られるAbyss。Abyssという一番丘の低いところ、それ以上下れば崖という場所にあるブロックですが、ほかとほとんど同じように育てられいるのにここのブロックに植えられているピノ・ノワールからは自然にしなやかで柔らかく気品と威厳のあるワインができるそうです。このイベントでも一番の人気となりました。

Abyss同様に単一のブロックだけで瓶詰めされているのがBest End。こちらはソーヴィニョン・ブランです。こちらの販売可能リストには掲載していませんが、ご希望の方は店舗にはございますので、お気軽にお問合せください。
イベントで利用したChurtonのワイン(税別)
購入数

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